[追記あり] 設計図は大事です

[追記部分]:
 ※署名活動が始まっているようです。私もやってきました!
 【署名簿: ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明
 11月末日で締め切るそうです。
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 最近何かと話題になってる事業仕分けですが、私もそれ関係のニュースは一通り見るようにしてます。
 中でも、ロケット開発やスーパーコンピュータの研究については激論が繰り広げられてるようですけど…一度は凍結が決定しかけたのが、どうやら見直されるようですね。
 ひとまずは良かったと思います。

 これ書いてる横でノーベル賞受賞者の野依博士が「コストと投資を一緒くたにするな」っていう趣旨のことを言っていて、もうこれ以上的確な意見は無いと思うんですけど、書かずにはこのモヤモヤ収まらないから書かせてくださいw
 

 
 この政府、いったい何がしたいんでしょう。
 いや、市民生活を保障したい、そのために子ども手当支給や高校無料化、高速道路無料化などの財源をどこかから捻出しなきゃいけない、それは分かるんです。でも、それ以上の大きな視点でちゃんと日本の将来を描いてるのか疑問に思うことがしばしばです。
 市民生活を保障するにはお金がかかります。このまま事業を削り続けていくだけではそのうち絶対破綻します。ていうか既に成り立ってない気がします。生活保障に必要なお金は、何らかの方法で稼いでこなきゃいけない。数十年とか100年とかのスパンで考えて、日本は今後どうやって稼いでいくのか、そのためにはどの分野を強化してどの分野をひとまず置いとくのか。そのためには削るべき予算もあるし、逆につっ込むべき予算もあるはずです。それが見えない。
 将来の設計図を描けない政府なら、存在する意味ないんですよね。今この時お腹が満たされるってことだけ考えてるのだったら、狩猟採集の時代と同じであって、政治家要らないじゃないですか?
 この国は将来こうありたいと思うから、そのためには今こうしなければならない、みたいな説明をきちんとして国民を納得させるのって大事な仕事です。国民の意見を代表する、だけじゃ仕事果たしてるとは言えないんですよね。

 資源が少ない以上、科学技術を売っていくって方向性はほぼガチだと思うんですよ。今までずっとそうしてきたから、ノウハウもある。逆に一度止めたら、もうあっという間に追いつけなくなります。
 どんな方向に進むつもりでもそうだけど、科学技術を売るならなおさら、頭のいい人材を育てていくのが大事です。でもその割には、日本って教育予算削るの好きですよね。学校の先生の地位低いし、わら半紙すら買えない小学校もあるし。
 今回みたいに科学技術分野が「無駄」認定されてしまうような視点が横行してると、「科学じゃ食えないからやめとこう」なんて言って逃げていく有能な人材が山ほど出るような気がします。事実、去年のノーベル賞を受賞した南部博士とか、日本人の受賞者だなんて言ったって結局研究自体はアメリカでやってたわけですしね。日本がいかに人を育ててないか一目瞭然です(´д`;

 スーパーコンピュータとかロケットとか、そうですよね、確かに今すぐ市民の生活に貢献はしない。でもそれは「無駄」じゃないんです、「可能性」なんです。そういうものを安易に削ろうっていう発想は危険だよなあと思うんです。
 所詮うちには子どもも介護すべき両親もいないし、おかげさまでダンナも毎月給料もらえてます。だからいわゆる「生活者レベル」的なものは低いのかもしれない。そういうやつの言うことだから現実味がないんだとか言われたら、ハイそうですねとしか答えようがありません。
 でも少なくとも、私は夢のない社会で子どもを育てたくはないなぁ…
 

[参考リンク] ノーベル賞受賞者・フィールズ賞受賞者、「事業仕分けに対する緊急声明」
 

コメント

  1. しーやん より:

    久方ぶりにパソコンからログインしたので、コメントさせて頂きまーす。

    事業仕分け、毎日ニュース見てるけど、???となるものも多いですねー。だからといって、自民党政権がいいのかって言うと、それも全然違うのだけれど・・・。

    将来的な国の方向性を決めるのであれば、一本柱をまずしっかり通して欲しいなと思います。ばらばらにあれもこれも盛り込んで、良く分かんないのは削っちゃえー、ではねぇ~。

    いずれにしても、国民1人あたり600万円以上も借金してるのだから、もうちょっと頭使った予算配分して欲しい。少し頭のいい高校の生徒会にでも予算案作ってもらったほうが、、もっとまともなやり方が出来るのではないかと思います。

  2. きのう、市民が仕事する?

  3. 櫻井水都 より:

    >しーやんさん

    おひさです~!

    きちんと説明さえしてくれれば、税金を投入することも納得できるんですよ。ていうか、納得させるのが政治家の大事な仕事だと思うんです。
    国民視点って今よく言われますけど、ホントに何から何まで“一般的な国民の感覚”のみで政策決定するんだったら、政治家要らないです。投票で全部決めればいいのであって。
    今後数十年経って今の子どもたちがおっきくなった時に果たしてその決定がどんな影響を与えてるのか、そんなとこまで考えてほしいなと思ってしまいます。

    “民間教”みたいなのも気になりますよね…
    費用対効果とかって錦の御旗みたいに掲げてますけど(それも必要な考え方なのもよく分かるけど)、そもそも、採算取れるとわかってる事業だったら民間がやるんです。採算取れなくてもやらなければならないぐらい大事な事業だから、国が引き受けるんじゃないですかね?(´д`;
    教育とかエコなんて、赤字か黒字かどうやって測定するって言うんでしょう。ていうか黒字だからやるんですかね? 必要だからやるんじゃないですかね?
    削る・削らないの判断基準が間違ってるような気がしてならないです。

    ……あー、長くなっちゃった(;^_^A すみません><