おやすみ

ふいに寝息に混ざる笑い声
何かいい夢見てるのかな
今 隣に誰がいるのかな
どんな話をしてるんだろう

寝静まる街を満たすゴンドラの音
世界を乗せて 朝へ向かってゆく

乗り遅れた夜は 途方に暮れて
明日を待つことが少し怖くなる

伸ばしかけた手を ふと止める
きみの背中が見えなくて
息を潜めて 降り積もる沈黙の底
夢が弾けてしまわぬように

きみの名前を呼びながら これまで
いくつの夜を乗り越えてきただろう
伝えきれない思い いつも上手に返せなくて
もらってばかり 情けないね

朝へ向かって走るゴンドラ
きみは待っててくれるかな
明日のきみには明日しか会えないから
それが 足を止めない理由

今日にとっての明日は明日になれば今日だけど
繰り返す日々に向かって歩きたいと思うんだ
夜を渡ったその先へ

だから今日も 明日行きのゴンドラを追いかけて
明日のきみに会いにゆく

夢の続きをふたりで過ごそう
だからもう一度 おやすみ