それでもいつか、瓦礫に花が

音もなく降る塵のゆくえ
語る声音はわずかに弾んで
聞き入る顔はどれもうつむいて
遠い空の下では 瓦礫を踏みしめる足音

止むあてのない塵を数え
語る声音は日増しに弾んで
旗を振るがままにひれ伏してゆく顔
そしてまたひとつ 瓦礫を踏みしめる足音

ひび割れの隙間からでさえ花は咲くのに
風向きひとつにも閉じてゆく瞳

そして降り続く塵をいつしか
語るために願いさえして
うつむくために耳をそばだてて
積み重なるのは瓦礫 言葉という瓦礫

ひび割れの隙間から咲く花にはなれずに
引き裂かれるままに分かれゆく人たち

芽吹くとも分からない種を握りしめて
悲しみの半減期待ち続けている

声もなくうつむくそのわけは
ひれ伏すためじゃ決してないのだと
伝えるあてもなく今日もうつむいて
歯ぎしりがひとつ 瓦礫を鳴らして落ちていった