風に舞う

陽射し受け舞う花弁 季節外れの雪のようで
薄紅の風花は 戻るべき場所を知らない

遠ざかる影を見送った
また逢えると 疑うことさえなく

風のように過ぎる時よ 分かれた道の行方が
流れる季節に遠ざかっても
風のように過ぎる時よ 広がる空はいつでも
僕らをひとつに繋ぐと信じていた

はらはらと舞う花弁 どこへ落ちてゆくのだろう
同じ枝咲いたこと 日々は思い出に消える

届かない手紙がまたひとつ
かぼそい糸を 音もなく切ってゆく

風のように過ぎる時よ 分かれた道はいつしか
流れる季節の速さに呑まれ
風のように過ぎる時よ 広がる空のどこにも
あの日の君の影はもう見えない

どれだけの声が まなざしが 別れを思っただろう
切るつもりだった糸など ひとつもないけれど

風のように過ぎる時よ 道は必ず分かれて
戻せぬ季節を嘆くしかなくても
花のようにめぐる時よ 何度でも繋いでゆこう
別れも 出会いも すべては陽射しの中

何度でも さあ