傘の下の永遠

アスファルトが染まってく
窓際のテーブルまで 届く街のざわめき
君は慣れたそぶりで
傘の柄を持ち上げて きまり悪そうに笑った

とびきりの花束をかかえるみたいに
君の傘を開いて
少しゆっくり 僕らも歩こうか

触れそうで触れない肩先で
君の気配を確かめている
言葉はどれひとつ 声にならなくて
頭の上で傘が笑った

水たまりを避けながら
お互いの足どりを 読み合うように歩く
止まないねって君が言って
でも好きだよって返した声は 足音に消えた

ポケットにしのばせたロッカーの鍵
僕の傘はその中
今日は降るってわかってたんだ、ごめんね

少しだけはみ出した肩先に
雫が落ちて服に染みてく
君のほうへ 少し傘を寄せれば
濡れてく肩さえこんなに熱いよ

ふたりとも守りきれる傘なんて
きっとめったにないけれど
君とだったらずぶ濡れでも構わない
言い出せない言葉は傘を滑って
足元に落ちる

触れそうで触れない肩先で
君の気配を確かめている
見慣れた花柄の屋根の下 ふたり
どんな天気よりもいとおしい

傘を打つせわしないリズムがゆるんで
言い出せない言葉だけが残されて
前のほうへ 僕は傘を傾ける
明るくなってく空を
引き止めるように