夜伽スパークル

夜空に打ち上がる
花弁千切りましょ
焦げつく指先で
一夜の夢結びましょ

祭囃子を背に
人波駆け抜けて
真赤なりんご飴
頬張る逢瀬時

闇に閃く 一輪の花
醒めた心隠し
今宵 誰の胸へ

汗ばむ肌重ねれば とどのつまり同じで
障子に映る影法師 顔も声も名前も
全て消える

果敢なく燃え尽きる
線香花火さえ
幾許のためらい
匂わせて散るのに

祭囃子の中
人波見下ろした
大きな肩車
あの男は消えた

闇に葬れ 一縷の望み
熱き身体寄せて
今や 誰の傍で

汗ばむ肌重ねれば 誰も彼も同じで
過ぎしあの日の影法師 顔も声も名前も
疾うに消した

あぁ、道ならぬ男は
今や 誰の傍で

汗ばむ肌重ねては 違う腕と思い知る
二度と戻らぬ肩車 顔も声も名前も
もはや

幾たび肌重ねれど 拭い去れぬ幻
胸に焦げつく影法師 顔も声も名前も
未だ消えず

夜空に打ち上がる
花弁千切りましょ
焦げつく指先で
一夜の夢を、また…