職人でしたよね

 作詞家の阿久悠さんが亡くなりましたね…

 私には絶対的に尊敬する人種というのが3種類ぐらいありまして、それというのが「楽器のできる人」、「絵の上手い人」、そしてもうひとつ「職人」です。
 職人というのはアーティストとはまた別の才能だと思うんですけど、どうでしょうね?
 アーティストっていうのは、どんなものを作ってもそこに「作り手」のサインがされている、みたいな強烈な個性を放つもので、対して職人は、作り手としての主張がたとえあったとしてもそれは奥に引っ込めて、「受け取り手」の見たいものを見せる。
 いや、どっちも私自身からはほど遠いんですけど(;^_^A それでも、常日頃読者のニーズ完全無視の小説を垂れ流してる身からすれば、職人という人種には一生なれる気がしません。
 なんたって受注生産できないもんねえ、私。クォリティ度外視でいいから注文どおりの作品書けって言われたって、出てこないもんは何をどうやったって出てこない。

 白い珊瑚礁、宇宙戦艦ヤマト、UFO、もしもピアノが弾けたなら……どれもこれも「あっ知ってるー!」な曲ばかり。しかもジャンルバラバラ。
 曲は知ってても、案外「作詞者」まではチェックが行ってなくて、こういう時に、訃報とともに代表作を挙げられて初めて知るんですよねえ。「え、あの曲も!?」みたいな。
 作者の顔は限りなく覆面で覆われていて、でも作品はみんなの心に残ってる。う〜ん、これこそ「職人」。

 昭和歌謡ファンのひとりとして、ご冥福をお祈り申し上げます。


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〈コメント再掲〉

■あゆみぃ 2007年08月02日 03:39
 お父さん、寝てからラジオで聞いたみたいで、
 わざわざ降りてきて私たちに報告してくれたよ。

 本当に知ってる曲ばかり。
 で、発注が来るんだろうなぁ、と思ってしまうのはイケナイね(^-^;

 ご冥福をお祈り申し上げます。