一生懸命リハビってます

 しばらく雑記空けてるうちにも、ビリー隊長のもとへ入隊したり、一晩完徹で証券外務員の試験勉強をして無事合格したり、新兵訓練がんばりすぎて筋肉がちょっと腫れてみたり、風邪こじらせてまったく声が出なくなってもんのすごくストレスフルな生活を余儀なくされたり、今さっきアニメ版『時をかける少女』初めて観てほろりとしたり、それなりにいろいろなことがあったわけなのですが、そんな日々の中でも小説のリハビリは地道に続けております。
 実は、『時かけ』ちっくなタイムリープネタを、近い将来執筆予定の学園ラブコメの中でうっすら考えてたな〜ということを今思い出したんですけど…あーこの案不採用にしといてよかったあ。どう考えたってこっちがパクリになっちゃうじゃんね〜(笑)まあ王道っちゃー王道だから、アレンジのしかた次第なんだろうけど。

 なんせ長編書くのめちゃくちゃ久しぶりだから、ペース配分の感覚も言語をつづるセンスも(もともとアヤシイのにますます)鈍っちゃってヤバいです。ファンタジーだいぶ遠ざかっちゃってるけど、現代ものも短いの以外書いてないんですよね〜ここ数年(爆)
 物書きサイトと名乗るのにちょっと勇気のいる今日この頃ですが、一応まだ看板降ろす気はございません。
 ただ、今後、当サイトにおけるメイン作品が変わります。今書いてるのが『Noisy Life』シリーズで、これからは本格的にこれを更新していきたいと思います。あと、【覆面作家企画2】に出した短編「光の手」のロングバージョンであるところの『Stardust Children』や、学園ラブコメ・エイリアン添えの『コンタクト』なんかも書けたらいいなあ(年単位の希望的観測です/笑)

 そこで、『虹待ち』お待ちの方には後日ちゃんとした釈明をいたしますが……今後、無期限更新停止にしちゃいます。どうも申し訳ありません(>_<;
 理由をめっちゃ簡単に述べるなら…「あの幼いテーマを、今30ヅラ下げて書く気にはさすがになれなくなった」ということに尽きるかと。あう〜。だってーあの話基本的にとことんコドモの論理だけで成立してるんだもんー。なんつーか、“コドモの世界は聖域なのよ! それを乱すオトナは問答無用で悪なのよ!”ってヒステリックにわめいてるみたいな?
 あの作品の、数少ない美点を好んでくださってる方には、たいへん申し訳ありませんが、そういうことでひとつよろしくお願いしますm(_ _)m

 んで、こっから下はそのリハビリの途中経過。
 もう、私、『虹待ち』の反省を活かして、ある程度の進度に達するまで作品公開しないことに決めましたよ(;^_^A だから正式なアップはまだまだ先ですが、ひとまずサワリだけここで。

 


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 “四バカ”という呼ばれ方なんて、とびきりの賛辞だと思っていた。
 軽音部のない高校だったので、文化祭で有志バンドがライブをおこなうというだけで、否が応にも注目を浴びてしまう。その上、その“有志”である四人のうち四人ともが受験を控えた三年生だ。ほとんどの同級生が模擬テストの点数と全国順位に一喜一憂しているなか、彼らときたら、文化祭当日までの数ヶ月間、貴重な放課後をすべてライブの練習に費やした。
 努力の甲斐あって、文化祭のステージは大成功。ただし、それ以降の彼らは、ほかのどの同級生よりもハードな受験勉強期間に突入するのであるが……。
「とにかく、どっかに引っ掛かろう!」
 これが四人の合い言葉になった。バンドに熱中したせいで受験に落ちた、などということにでもなれば、まかり間違っても楽器になど触らせてもらえまい。もっとも避けなければならないパターンである。
 志望大学はみな違っていたが、そろって桜を咲かそうと彼らは誓い合った。高校の文化祭だけでは終わらないという手応えを、彼ら四人とも感じていたのだ。
 結論を言えば、彼らは晴れて、全員大学生となった。
 キャンパスライフに少しずつ慣れてゆくのを、待ちきれないかのようにバンド活動は再開し、地道に客を増やしていった。行きつけのライブハウスでは固定ファンも掴み、これならばもう少し大きなハコでもいけるだろうなどという声も聞かれるようになった。彼らは、確かに、絶好調だった。

 ──サバトに集う蝙蝠。
 それが、彼ら“四バカ”の正式名称だった。……そう。今日、この日までは、確かに。

***

「ああそうかよ、わかったよ今すぐソッコー辞めてやるよこんなヘッポコバンド!」
 本郷聡見《ほんごうさとみ》はハスキーボイスを張り上げながら、このスタジオのオーナーが目撃したならば血相を変えるにちがいない勢いで壁に蹴りを食らわせた。
「ヘッポコ、だぁ? それでけなしてるつもりかよ。しかも自分だけはそん中に含まれてないつもりでいるとこがマジで腹立つぜ、てめえってヤツはよ!」
「うん。だって今辞めたもんね、含まれたくないからさあ。あんたらは男三人してコソコソ寄り集まってせいぜい馴れ合ってりゃいいじゃん。あたしはまっぴらご免だけどね」
 ドラムセットの中で泉田《せんだ》が、スティックを握った拳をわななかせる。
「俺らがその、“コソコソ寄り集まってる”? そういうことするだけの理由がどっかにあるんじゃねえのかって考えは浮かばねえのかよ?」
「──それがあたしだって言いたいわけ」
 聡見の拳も臨界点間近にさしかかっている。
「だから勝手にあたしの後釜決められてても文句は言えないだろって、そう言いたいわけ。俺たちはなんも悪くねえって。あーそう、そりゃたいそうな理屈だねえ? トイメンで話し合いもできない腰抜けのくせに、自己正当化だけはイッチョマエ」
 最後の単語にことさら大きな抑揚をつけて、聡見は鼻で笑った。
 泉田の中の血という血が逆流した。少なくとも、傍目にはそう見えた。ゆらりと立ち上がった泉田に、望月が条件反射で駆け寄った。望月が懸念したのは泉田の拳の行き先であったが、結果としては取り越し苦労に終わった。
 泉田は、宙に浮いた拳をハイハットに打ち付けてどうにか納めた。
「……さっきの質問に答えてやろうか」
 つとめて冷静さを保とうという姿勢は見えるが、それでも声がややうわずってしまうのは致し方ないだろう。
「そうだよ、てめえのせいだっつったんだよ。俺らはなんも悪くねえ、ああまったくその通りだよ。話し合いだぁ? よくもぬけぬけと言えたもんだなあ。お前が聞く耳一度だって持ったことあったか? 今まで話し合いが成立してるように見えたんなら、そりゃ俺らが諦めたからだよ。この女とまともにやり合ってもバカバカしいだけだ、って、な!」
 ──果たして、拳は、望月の想定外の方面から飛んできた。
「……んのヤロー!!」
 突き出された聡見のパンチは、泉田のストッパーになったままの望月の頬に命中した。かえりみる余裕もあらばこそ。聡見は外に筒抜けるほどの声量でまくしたてた。
「何だ、それ。諦めたってのは何だよ? こないだのミーティングも、その前のも、活動再開しようってあたしが声かけた時もかよ!」
 なおも拳を振り上げる聡見を、望月は今度こそ制した。
「トミー、違う、それは」
「まともにやり合ってもバカバカしいって、てめえらだけ高みにのぼったつもりかよ? だったら、見下されても平気でヘラヘラしてられるボンクラつかまえて仲良くやってろ! あたしは抜ける!」
 掴まれた手を振りほどき、帰り支度を済ませ、部屋を出てゆく。開け放ったままのドアから、大声で言い合うメンバーの声が漏れてくる。それを背中に聞きながら、聡見は全力で駆け出した。

(ここまで)=====