孤高のひと

 2通目の手紙が来たわけですが…
 ええともう何から話せばいいか…一行目から宗三らしさ限界炸裂だったというか…
(以下、ムチャクチャネタバレです)
 「貴方は笑いますか?」って、ま~た確信を胸に淡々と歩んでいるのか、実は不安に揺れているのか、どっちとも取れる言い方してくれちゃってさあ……

 たった4行。刀帳の自己紹介のイメージを裏切る、なんとも簡潔な文面ですけど、思えば宗三左文字ってつくづくこういう刀でしたよね? 
 1日目もそうだったけれど、これら数行の中に、結局彼自身の感情を直接的にはひとつも書き記していない。 
 人に語る必要のないことだと思っているのかな。そして確かに、修行とは最初から最後まで自分との対話であるし、そこにあくまで誰も介入させるつもりはないのだろうことだけは、ひしひしと伝わってくる。 
 あまりにも気高い孤独をたたえた手紙です。

 皮肉げな物言いが何かと取り沙汰されがちだけれど、彼はとても正直で率直で、見たものや考えたことを偽らずに語る。見たものや思ったことのすべてを語るわけではないけれど、彼が語ることに嘘はない、そういう感じがします。今までの彼が言い続けてきた皮肉(っぽい台詞)も、彼にとっては紛れもない真実であって、それをありのままに告げているだけだったのかもしれない。 
「知っていますよ。どんなになっても、焼き直して手元に置くんでしょう?」 
「僕を侍らせ、自慢したいんですか?」 
……どれも、彼がされてきた扱いをそのまま述べているだけ、なのだろうなあ。 
「手に入れるだけで満足して、使いもしない……いつも通りですよ」……これについては、裏に願望をにじませている気配がするけれど、彼の語る「望み」って、本当にこれくらいの控えめなものなんですよね。 
 そんな彼が、「ちょっと外へ出てきてもいいですか?」と言い、「強くなったら帰ってきますよ」と書いてくる。そこにどれほどの強い気持ちが秘められていたかが窺えて、なんて健気な刀なんだと胸が苦しくなります。

 そして嬉しかったというか、うんわかってた!君はそういうこと考える刀じゃないよね!と全力で頷いた一文… 
「魔王をどうこうして歴史を変えようなんてつもりはない」 
 きっぱりと、そう言い切ってくれたのが頼もしい限り。それでも、自分の心の中に魔王にまつわる記憶が大きなしこりとなって居座っているのは間違いなくて、そこと向き合わなければ先には進めないと、自分自身を正しく診断して、そのために魔王に会いに行くのだと淡々と語る。とてつもなく冷静です。

 そのくせ、最後の一文だけ、審神者にふっと投げかけてくるんですから…… 
「それは、わかってもらえますよね?」 
 信頼なのか、確認なのか、はたまた不安なのか、あるいはそれらのいずれもなのか。何にしろ、要するに「わかってほしい」のだと宗三は言ってきたわけです。自分に向き合うのは自分自身だけに課せられた、また自分自身だけに許された戦いだけれど、その決意を聞いてほしい、見届けてほしい、と、少しだけでも思ってもらえたのだろうか。 
 もしそうならば、とてもうれしい。