宗三くんの手紙をいい子で待っている審神者です。
いよいよはじめてのおてがみが来ました!
あっ紛れもなく宗三だwww…というのが一番率直な感想だったのですが、それは書かれた文言そのものよりも、彼がそのような自己認識を持っている、ということに対してそう思った。この人はやっぱりつくづく、自身を俯瞰するタイプなのかな。
(以降、ややネタバレに関わる記述があります)
今日の手紙を読むに、つまり彼は自身を、修行など柄ではなく、むしろ今にも出奔しそうな刀であると位置づけている、ということになりますね?
宗三左文字という刀は言葉数のわりにはほとんど心中を吐露しない刀だけれど、それは「自分は弱い」「弱いのは悔しい」「強くなりたい」等といった、戦士としてごく基本的な欲求についても例外ではなくて、確かに開戦ボイスでは「油断したが故に討たれたくはない」という意志を告げるけれど、これは数少ない例外だし、それにしたって「だから強くなりたい」と必ずしも直結するような文脈でもないんですよね。
「戦に出た経験はそう多くはない」とは言うけれど、「焼けてしまったから武器としては心許ない」とは決して言わない、そういうところに私という審神者は彼の意地を感じてきたのだけれど、「自分の弱さ」について言明しないことは逆に考えれば「悔しさ」をも口にしないということで、その辺の欲求が彼にあるのか無いのかは、ひとえに聞く側の感覚にかかっている。
そして、今回の手紙から推察するに、彼はそういったことを「たまたま口にせずにきた」のではなく、「言わないように決めてそうしていた」のだろうな、と思われるのです。
もともと審神者に懐いてもいない、強くなりたいのかどうかもわからない、この本丸で主のために戦うということに対しておよそどんな思いを抱いているのかひどくわかりにくい、こんな僕ですから、修行を希望するなんて柄じゃないと思ったでしょうし、むしろこいつそのまま出奔するんじゃないか…くらい考えたんじゃありませんか? と、そう投げかけてくる。
なんという強固な防御線。
これは間違いなく、私の知ってる宗三左文字です。本当にどうもありがとうございました。
でもな!!!!!君の見積もりは間違ってたんだよ!!!!!!!やーいやーい、驚いたかよ!!!!!!!!!!
(……呼吸を整えて)
既に言ったとおり私は、焼けたことを(折れる時にしか)口にしない宗三、戦に出た経験が多くないことを自身の低いステータスの理由にしない宗三に、隠れた意地の強さを感じてきたし、意地の強い刀はきっと強くなることを誰よりも望んでいる。
桶狭間で今川義元が討ち取られて分捕られた時に、自分の刀としての命運は今の方向へと大きく舵を切った、そういう認識でいるらしいことは刀帳の台詞で察せられるけれど、その桶狭間へ出陣した時に彼がこぼした呟きは、「今川の刀でいられたなら幸せだったんだろうな」などでは断じて無かった。「わからない」と彼は言う。わからないのは、善も悪もないのだと知っているからだろうし、あるいは分捕られた後にも幸せはあったのかもしれない。そういう曖昧なものを抱きしめた彼は、歴史改変などは決して考えないだろう。
そう信じて三年間あなたを推してきたこのさにわに、そんなことを書いてきますか!?
ふはははは!!!!! 見積もりが甘いな!!!!!!(だから鼻息が荒すぎますって
何ほどのこともないかのように、当たり前のように綴られた最後の一文が、宗三左文字という刀が今までずっと表に出さずに来たシンプルな願いを、如実に示している気がします。
「強くなったら帰ります」、その言葉が聞けて本当にうれしい。
君は君を全然諦めていないんだね。