【振りサイト再録】第26話&第27話を熱く語る会

うう~……もうここんとこ時間がないうえに本誌の内容もすさまじくて、まとまったコメント書けないんですけど(じりじり)

とりあえず、第27話。
私は、ひぐちさんの次に三橋を愛している女だと勝手に自称しちゃってるんですが(汗)、まだ甘かった。
私は三橋の心のキズの深さを、正しく把握していなかった。
“阿部君がケガしちゃうかもしれないから”という理由でホーム返球をためらった三橋。当然、あんなことホントの試合中にあっちゃいけないことなんですけどね。
でもちなみに私はアレは、“自分勝手”だったんじゃなくて、“固まっちゃった”“キャパが小さい”だけだったんだとも思ってるんですけども。

ホームに投げなきゃ!→追加点入れられたら負けちゃう!→でも投げたらクロスプレー!→阿部君がケガしちゃう!→オレはダメピーだから試合負けちゃう!

というかんじの思考の流れが一瞬で三橋の中に浮かんだわけだよね、たぶん。
ホームで刺さなきゃ点とられちゃう。でも阿部が引っ込んだら自分じゃアウト取れない(と、あくまで三橋は思ってる)。
どちらか自分にとってより都合のいい状況を選んだってわけじゃないんだから、この場合、三橋は自分勝手だったわけじゃないんだと思う。
どっちにしたって、三橋にとってはヤバイ状況なわけです。
いっぺんに、いろいろな問題が自分に襲いかかってきて、ただでさえキャパの小さい三橋は、処理しきれずに固まっちゃったんだと思うんですよ。
どっちにしても、まだまだであることにかわりはないんですけどもね。
この、“まだまだ”なところもふくめて、私は三橋が好きですけども。

ただね。
「逆らう気なんかないんだ 阿部君のリードがなきゃ オレはひとつのアウトも取れないんだから」っていうモノローグ。
これに、ガーンと来ました、ワタクシ。
三橋が自分のこと、ダメピーだって思ってるのはよく分かってる。もうこれは、周りがどんなふうに否定してあげても、自分がかたくなにそう信じ込んじゃっているから(少なくとも今の時点じゃ)どうしようもないんだって。
分かってたはずなんですけどね。

ここ最近の三橋は、「これまでで最高のピッチングができる!」とか「みんなとオレで押さえるから」とか、力強いセリフをたくさん吐いてくれて、おっまえ成長したなぁなどとお姉さんは感慨にふけっていたんです。
でも、ちがったんだね。
きみは、あれだけ力強い言葉を言ってても、それ全部、自分に対する自信によるものじゃなかったんだね。
全部、阿部が受けてくれるってこと大前提のハナシだったんだね。
オレはダメピーだから勝てないっていう、痛々しい信念(?)を中学3年間で抱え込んでしまって、それでも西浦に来てずいぶん治ったように見えていた。たった半年ですごいな、強いなぁって感心したりもした。
そうじゃなかったんだね。きみのトラウマは、全然癒えてなかったんだね。
そりゃあそうだ。3年間かけてついた傷なんだから、少なくとも癒えるのに3年はかかるよね、と頭では思ってた。
でも、ほんとうに分かってはいなかったんだなぁ、私…。

彼がほんとうに“オレで勝つ!”“オレが押さえる!”って思えるようになるのは、いつの日なんだろう。
阿部君のリードがなきゃひとつのアウトも取れないなんて、あんなことをあんな確信に満ちた表情で独白しないでくれよ~……。
うう、せつない。

そんなわけで、私は、ホーム返球をためらった三橋の行動を、“勝手”の一言で片付けられそうにありません。