遅れてきたオトメゴコロ

 唐突ですが、櫻井水都は27歳です。四捨五入すりゃ30になります。
 年をとることに対しては、別に嫌だとは思ってないし人に歳訊かれても平然と実年齢を答えます。単に無頓着なだけかな?(;^_^A
 いや、なんていうの、年取ることで失うものもあるでしょう、当然。例えば肌のツヤ、声の張り、オールのオフ会に耐えられる体力(笑)、エトセトラ…。でも、反対に年取ることで得られるものもあるハズなんです。年齢を重ねた人間は精神で生きるのです。身体の豊かな年代から、心の豊かな年代に変わるのです。
 そうですね、例えば地位、経験、洞察力、オンナとしての円熟味……し、しまった、私にはどれもないZO! 櫻井、墓穴を掘るの巻。ちーん。
 
 ま、言っちまえばたかが27。はっきり言ってまだコワッパです。円熟した女なんぞという境地にはまだほど遠い。仕事だってある程度のことは任される(=ハッパかけられる/苦笑)けど、ことさらな地位につくわけでも無し。
 だからといって、若者のように二徹三徹平気ってわけには到底行かないわけなんですな。こないだなんか、オールのあとに東京から下り方面・千葉終点の快速に乗り込んで、しばし眠りに落ちて、ふと目が覚めたらば何故か東京駅にいたし(笑)。
 顔洗えば肌は突っ張るわ、カラオケで高い声は出なくなるわ、寄る年波は残酷なものでゴザイマス…(遠い目)
 
 ようするに、何とも中途半端な歳なんです。20台後半ってのは。
 若いやつらと張り合えば「いい年をして」って言われ、いっぱしの大人気取れば「若造のくせに」なんて言われるわけです。
 27歳、大台まであとスリーカウントです。
 いっぱしの大人を気取れば「若造のくせに」って言われる年代のうちに、若気の至りってやつを存分にやらかしておきたい。無理が(少しは)利くうちは無理しておこうぜと、命を大事にしすぎて命をしぼめるのはやめようぜと、唐突に心に言い聞かせてみたりみなかったり。
 
 私、ずいぶん長いこと、相当ダサイ女だったんですよ。意外か想像通りかは、ご判断におまかせしますけども(;^_^A
 浮いたハナシのない女生徒だったってのも大きな要因でしょう。恋ってやつは、良くも悪くも、ニンゲンの自意識を増幅させますから。それが乏しかったってことは、つまり、人にどう見られようが大して気になんないっつーことですか。
 別に、毎日おんなじ髪の毛ひとつ縛りで学校行ったっていいじゃん。誰に見せる髪型でも無し。
 色つきリップだって、別に塗んなくたっていいじゃん。唇乾いてるわけでもないんだし。
 このスカート丈は好みじゃないけど、わざわざ仕立屋さん持ってくのもめんどくさいし、金ないし。自分で直すなんてもってのほかだし(スンマセン裁縫嫌いです)。
 
 大学入って、ちょっとは、おしゃれに気を配るようになりました。
 でも、それまでの蓄積がなかったからでしょうね、どことなくやっぱりダサいんですよ(笑)オタクが頑張って小じゃれた恰好に挑んでみたけど、やっぱりオタクは隠しきれないねヽ(´ー`)ノ みたいな感じ。
 一方で、もうそろそろ私も彼氏欲しいぞー、なんて思っていた時期でもあって、鏡みる回数、結構増えてました。自由になるお金も増えたし、化粧の仕方の基礎の基礎を手探りで勉強しだしたのもこの頃。
 
 でもね、私には、難関があったんです。
 それは、「可愛い系のおしゃれにどうしても踏み込めない」っていうものだった。
 もうずっと長いこと、私の理想自己は「ボーイッシュでクールでドライな女」というやつで(誰だ、笑ったやつ!)、実際周りにどう見えてたかはおいとくとして、とりあえず自分の中では「あたしはどっちかといえば女っぽくない性格だ。着る服だって、スカートより断然ズボンだし、ピンクよりはブルーだし、ヒラヒラもしくはフワフワしたのなんて動きづらくてたまんない、余計な飾りのない、シンプルで、直線的なシルエットのほうが好みだなぁ」とかね、思ってたんですわ。
 多分、自分が童顔だってことと関係は深いと思う。
 この顔じゃあ、まあまず間違っても「かっこいい女」っていうキャラで売ることはできないしなヽ(´ー`)ノ
 加えて言えば、少年願望があった。それも、少女マンガに出てくる好少年のような、嘘臭いほどに(失敬)爽やかで活動的で、おまけにちょっとだけ口の悪い……というね、背筋が痒くなるような憧れを持っててねぇ…
 
 だもんで、かなり最近まで、気付いてなかったんですよ。実は私はヒラヒラした服もふわっとした袖も透け透けのニットも、思いっきりギャザーの寄ったスカートをスパッツの上に穿くなんてレイヤースタイルも大好きだってことに。
 気付いた時には、愕然としましたね。
 そういうのって、もっと若い子じゃないと似合わないじゃん! 30の足音が迫ってるオンナが着たって、「何あの人若作りしちゃってぇ~(ぷぷっ)」なんてことになっちゃうじゃん!(号泣)
 でも幸いなことに、私は童顔です。まず間違っても、27歳になんて見られたことありません。仕事やっててあんまり若くみられるのも時には癪なもんですけど、こういう時には役立ちます。私の顔だけ見て、例えば23、4ぐらいに思ってくれるんだとしたら、そういう服着るの、今のうちだゾ! たとえ外見がどうあれ、実年齢30にいってしまったら、やっぱり理性が止めますしね。「おまえ、いい加減に落ち着けよ。年甲斐って言葉があるの、知ってるか?」ってさ。
 
 と言うわけで、遅れてきたオトメゴコロ、大放出中です。
 本格的な大人の女性らしさを求められるまでの数年間、思いっきり若者じみたファッション、楽しんでやります。
 ……オフラインでよく知ってる連中に、そういうカッコで会うのは、格別に恥ずかしいもんがあるんだけどね……今まで培ってきたキャラが邪魔するんだよね……(苦笑)