【振りサイト再録】第30話までの流れをユル~く総括してみる会(;^_^A 第2弾!

下で宣言したとおり、軽~いタッチでお送りしたいと思います(笑)

ルリルリと一緒にいるレンレンは、まともに「オトコノコ」でいいなぁ。
考えてること全部先手打たれて、ムカムカきてるらしい三橋……なかなか見られない表情でしたね。だって、眉毛、垂れてないよ!(笑)
「じゃーね、レンレン!」とにこやかに去るさまに、いじめっ子体質を見ました(笑)あれ、完全にいじくって遊んでるよね!
お母さんが、「何を言うの? どうして自分でいわないの?」って聞いてましたけど、あれは息子と叶君の仲が微妙になってるのとか、中学で息子がどんな目にあってきたのかとか、そういうのをまったく知らないってことなんでしょうか。それとも、ただ単に、途中からしか聞いてなくて話が見えないから純粋に訊いただけなんでしょうかね。
別に大きな問題じゃないのかもしれないんですが、私の中では、お母さんは、不自然な廉の態度とか、明らかにその話題をさけてるっぽいルリちゃんの様子から、なんとなく状況を悟っている、けれどどうしてやることもできない無力感を感じている…みたいなかんじになってるもので、ホントのところはどうなのかと(また脳内妄想のハナシかよ)

翌日、完全に熱を出してしまった三橋ですが、「みんなと顔合わせづらかったから」ちょっとホッとしている様子。昨日の試合の結果を埼玉テレビ(仮称)で見た人たちはまさか、前回優勝校に粘り勝ちした新設校のエースがこんな落ち込んでるなんて想像もできないだろう(笑)
彼が気にしてるのは、試合の結果よりもなによりも、チームメイトにまた嫌われてしまったんじゃないかという、そればかりで。(今回も柱のアオリが秀逸ですね!)

ルリちゃんが「私いおうか?」と書いてくるのも、レンレンが「自分で言う 昨日はありがとう」と返しているのも、あぁホントきちんとした子だなぁと思うんですが、やっぱり爆笑したのは阿部のメール…
「昨日の試合のことで話がある」
いや、わかるんだけども。同居人がまさにそういうメールを書くタイプの人間だから(笑)別にこのメールのどこも特別悪いわけじゃないんだけど……強いて言うなら、「間が悪い」?
今まさに「投げ続けたヤナヤツ」って自分を責めてる真っ最中の三橋に、これを送ったのは最高に間が悪い。(でも笑える…ごめん阿部三橋)
しかも阿部君、「投げらんねぇなら替わってくれ!」って言ったし、アナタ。三橋にとってそれがどれだけシャレになんない言葉か、理解してるからこそあそこでああ言ったわけでしょうに……そう言われて、それでも投げ続けた三橋が自分のこと責めまくってるなんてとこまでは……やっぱ想像つかないか(;^_^A
阿部メール第2弾は、「昼にオレと花井も行く」。
まるで化けもんに遭遇したかのような三橋のおびえっぷりと「ギャー」っていう書き文字がとんでもなく秀逸。こんだけ三橋びいきの私でも、さすがに阿部君かわいそうだと思ったわ…あんなに三橋のことばっか考えてあげてるのに、この仕打ち……(でも笑える)

「鳥カレー」っていう表現スゴいな。鳥って……鶏、じゃないんだ。さすが田島様、脳内で“鶏”っていう漢字を変換できなかったか、とも思ったんですが、ちょっと凄まじい可能性に思い当たってしまって……
あのカレーに入ってたお肉、ニワトリの肉じゃなかったらどうしよう……!
ニワトリじゃない鳥の肉…………七面鳥? すげー、さすが三橋家! ブルジョアだ!(笑)
それとか……北京ダック……(いやそれありえないし)
でっかいニンジン好きな三橋が、やっぱり大好きですワタシ(超真顔)
でも、でっかいニンジンっていうの見て、それは三橋のおかーさんは料理苦手だからあまり小さくニンジンを刻めなかったからなのかしら、とか、すげー失敬なことを考えてしまったのも事実なのであります。まったく人のことは言えた立場じゃないけどな櫻井!(料理苦手~)

左手でカレーかき回してる田島に、右手イテーのかと訊く泉。彼の気遣いはホントさりげない。そしてそれを聞いてホンキで青ざめてる三橋の、こういう柔らかさがマジで好きですワタシ(告白)
なんて言うの、このあとにも出てくる、田島ひいじい元気でホッとしてる顔とかもそうだし、さかのぼって西広先生初フライキャッチに心からそわそわしてるさまなんかもそうだけど、こういう、周りで起こってる出来事にそのまんま感情移入しちゃうところがすごくいとおしいです。
あんな辛い思いばっかしてきたのにね……心閉ざしちゃえば楽だったのにね。悲しい、辛い、寂しい、全部手放さないで感じ続けて、周りの人の気持ちも自分の仲に取り込み続けて。逆に言えば、それでも壊れなかった三橋の心ってやっぱりすごく強靭だなぁとも思うし、その柔軟な強さがあれば、時間はかかるだろうけどいつかきっとみんなの気持ちは三橋に届くはずだと思ってます。(レンレン語りはいつも真顔で!)

花井母→三橋母にとDVD渡されたときに、三橋がなんか一生懸命「あ、あ、あり…が…」とか言おうとしてますね、写植じゃない文字でちっちゃく(笑)なんかこの口調もすげー想像つくわ! ありがとうひとつ言うにもどぎまぎだよね、うんうん。
てことはだ、やっぱ試合中の「あ・あ ありがとう 阿部君…」はめちゃくちゃイレギュラーだったのだな。阿部は「三橋ってあんなスラスラしゃべるヤツじゃないだろ」って言ってたけど、「いや、スラスラしゃべれてないから!(笑)」とか思ってたんだけど、なるほど確かに、ふだんがこれなら、あれはものっすごい“スラスラ”だな…

湿布しとけ、と田島に言う泉がいる一方で、体重量ってこい、と三橋に言う阿部。あぁなるほどね、確かに心配たくさんしてるのは読者はすごくよくわかる。三橋の受け取り方もへたくそなのかもしれない。でも、あんたもずいぶん不器用だね、阿部よ……(;^_^A しかもそのあとのフォローも報われないし(笑)
つーか、最初からそっちのほうを口にしてりゃよかったのにね。「ちゃんとメシ食ってるか?」とかさ。いや三橋がメシ食わないわけなかろうけど(笑)そのあと、何食ったんだとか栄養あるもん食っとけよとか、ふつうに繋げられそうなもんなのに……かわいいヤツだ、阿部。
しかし三橋。50キロって何ですか50キロって! そりゃヤバいよだって165センチで50キロ!? それふつうにガリだから! 阿部が心配するのももっともだ、つーか私と(ちょっとしか)違わないじゃん! 身長10センチも違うのに!(問題はそこかよ)

阿部って子も、またずいぶん不憫なんだね……榛名サンをほめる三橋に過敏な反応。あれって、絶対、気にしてますよね?
阿部はたぶん、自分で思っているよりずっと、今でも榛名サンのことを引きずってて、あの例の試合のことで傷ついたままでいるんだと思った。信頼して、この人と最高のバッテリーになろうって気持ちを精一杯捧げたのに、それが全然通じていなかったんだという絶望。でも、その気持ちを、“大事な人に裏切られた絶望感”のまま抱え込むのでは、あまりにも自分がかわいそうすぎて痛いので、「あんなサイテーの投手、もうオレには関係ない」というふうに心の中ですり替えて、今に至ってるのかなぁ。
たぶんあれからこっち、阿部は自分の心の傷と向かい合ってないんじゃないかな。落ち込んでメソメソするのは発展的じゃないしガラにも合わないし、みたいなかんじで、心をムリヤリ前向きにもっていこうとして思い切り方向性がねじくれた結果が、1巻最初の阿部で。
三橋を認めて、わかり合いたいと思ったとき、ねじくれた気持ちはまっすぐに戻ったけど、こんどは「アイツよりもずっとすばらしい投手と、アイツとやってたときよりも数万倍すばらしいバッテリーになりたい。早くそうならなきゃいけない」という焦りにつながって、今に至っているような気がする。そうすれば、あの日のみじめな自分に復讐ができる、と。
榛名のことがなければ(もしくは、乗り越えれば)、もしかしたら阿部は、もうちょっとだけ三橋に対しておおらかに接することができるのかもしれないな。

で、結局、「別に順当だろ Cシードだぞ」という発言になるわけだけども、この場合“順当”なのは“武蔵野第一が”っていうことだったのかな、阿部の意図としては。
端から見たら、まるっきり榛名サンをデフォルトで高評価してるみたいになっちゃってるけど(笑)

「オレたちも か 勝った でしょう」と遠慮がちな三橋の口調がまたきゅんとしたのはこの際置いときますが(笑/だって、“でしょう”って!)、このときのみんなの表情がまたそれぞれに誇らしげで。この気弱なエースから「オレたち勝ったんだ」みたいなセリフが出てきたこと、みんな嬉しかったんだろうなぁ。三橋以外の全員が「三橋はよくやった」と思ってるわけで。誇ってくれればいい、どんどん自信持ってくれればいいって思ってるわけですよ、きっと。
──それ、ちっとも伝わってなかったことがすぐ後に判明して、胸倉つかみあげたくなるけどさ(笑)

うん。要するにさ、三橋は自分の良さがどのあたりにあるのか、まったくわかってないんだと思うのよ。
自分が「オレってヤナヤツ」と思ってる部分、それこそが、みんなの信頼を勝ち得ている部分なんだって、早く気づくといいんだけどな。
田島の屈託のなさ。泉のさりげなさ。花井のまっすぐないらだち。阿部の焦り。みんな、抱いてる思いは同じなんだよね。
三橋はオレらの、大事な仲間。
「なんでやさしいこと 言ってくれるんだ!?」の答えだけど、そんなの言っちゃえば「仲間だから」以外の何ものでもないと思うんですよ。仲間だから、うちのエースだから、みんなで支える。そんなの当たり前だ、と、ね。
でも、それでもあえて理由をいうならば、それはきっと「三橋だから」なんだよ。
どんなに打たれても、キツい場面でも、負けそうでも怖くても、泣きべそかきながら震えながら、それでもマウンドから絶対逃げない投手なんて、もう、見てるだけで胸が熱くなってくるじゃないですか!(私はなったよ!)あんな壮絶なの見せつけられたら、もうこっちも全力になるしかないじゃないですか。
三橋がそういう人だからこそ、みんなからああいう言葉を引き出すことができたんだよ。
逆に、勝てそうなときだけマウンドに立っていいカッコしたい、ヤバくなったらさっさと引っ込む、オレは投手なんだからテメーらみんなオレのために働きやがれ、みたいな人間がエースだったら、いくらニシウラーゼがいい子ぞろいだったって、ここまでの気持ちは抱かなかっただろうと思う。

結局のところ、三橋の、マウンド降りたくないって気持ち自体は何も悪くなかったんであって、中学時代に問題だったのは、降りたくないっていう三橋の意向が100パーセント通ってしまったってとこにあったのだよなぁ。
いいものはいい、ダメなものはダメ、と言い切ってくれる監督がいれば(モモカンみたいな)、三橋だって、いやだけど言うこと聞くわけじゃん。独り占めが良くないってことぐらい、わかってるわけだし。
むむ~……

試合の総評、すばらしいですね。個人的には、沖君の総評が一番うなずきました。あれは、マウンドから逃げたかった人だからこそ言える深みのある言葉。あそこで踏みとどまって戦うことの怖さを知っているから、彼は。
花井の「5番として点にからみたかった」というのも……うう、律儀! こういうこと言えるからこそ、キャプテンなんだろうな。本気でこんなこと思ってる花井が、総評見る前までの三橋の全思考内容を知ったら……そりゃあ、殴りたくもなるな……; オレがもっと打って、点入れてたら、三橋にもっと楽な気持ちで投げさせてやれたのに、ぐらい思ってたよね、彼はきっと。
そして阿部。この子はまた微妙なコメントを……(;^_^A 実感でしょうけどね。でも、「もっと試合を楽に運んで、三橋にいたずらにプレッシャーかけないように、チーム全体が成長しなくちゃいけない」ぐらいの熱い気持ちがあって、で、阿部流にこれをまとめたらあのコメントになったのかな、なんて思います。意訳しすぎ?
(阿部って、やっぱ絶対、対投手にだけすごくストレートじゃないよねぇ。それってやっぱり、シニア時代に自分が投手に対してぶつけたストレートな気持ちを、全部はねつけられてしまったから? それ以来、自分だけ空回りしたくないっていう恐怖が常にあって、それでああいう風に肝心なとこ言葉っ足らずになってるのかな?)

三橋は、みんなの気持ちが温かいものだってことぐらいはわかってたんだよね。ただ、それがどうして自分に向けられるのかがわからなかった。だから、受け取り方もわからなかった。
でも、受け取りたくてしょうがなかったんじゃないかなぁ。ほんとは。
そんなものを自分に差し向けてくれるなんてことは、今までのこと考えたらとうていありえない事態だったから、さんざん二の足踏んで。
端から見たらほんっと、ありえないぐらい遅いんだけど、三橋はやっぱり入部当初よりは確実に成長してて、「みんなはオレに対して敵意を持ってない」ってことも信じられるようになってきてて。
たぶん、もっと最初の頃にああいう言葉をかけてもらえても、まったく否定するばっかだったんじゃないかな。
「お前はいい投手だよ!」「ウソです~……」の時みたいに。
周りが自分を拒んでない(かもしれない)ってことを信じるには、土台として、「自分は周りに好かれる可能性が(少しは)ある人間なんだ」という自信が必要だもんね。

まだこのあたりのこと、三橋にとっては「当たり前」ではないんだと思うけど、可能性のひとつにはなったんじゃないかな。
まあ、一歩一歩、よろめきながらでも前進していってくれればもうホントにそれで充分です。

試合中に田島にだけ見せたあの笑顔。あれは、三橋の心にたくさん降り積もった自己否定が、発熱でひとときだけ吹っ飛んで、もっと奥底のほうにある「みんなと野球できて楽しい」っていう部分がむきだしになって現れたものなんだろうか。
だとしたら、三橋は最終的には、ああいう笑顔でマウンドに立つことができるってことなのかな。
卑屈な気持ちからじゃなく、心から投げることを楽しんで、マウンドに登りたくてたまらない投球中毒のままで、チームのエースであることを誇りに思える時がくるんだろうか。
そうなったら、私、確実に泣きます。断言します(T_T)

ああ、レンレンの成長を一瞬たりとも逃さずに見届けたい…

──そんなわけで、すっかり長くなりましたが桐青戦総括でした。
ご静聴ありがとうございました!