【振りサイト再録】第30話までの流れをユル~く総括してみる会(;^_^A

《3/24 追記しました(大量に/爆)》

もう日付替わっちゃったから、“明日”なんですよね、アフタの発売日…
もう例によって例のごとく、こまめに感想アップなんかできないわけなんですが(だって…あれ! もう! どうやってまとめろっていうんだあんな毎回濃ゆ~い内容をさぁ!)ここらでいっちょ、30話(06年4月号)について、これまでの試合の流れをなんとなくふまえつつユルユルといってみたいと思います。
テーマ:いかに人と同じことを言わないか(笑)

タイトル、「ひとつ勝って」なわけですが。
私、やっぱり根がオリジ書きなので、「この設定と流れなら、私だったらこういう展開にする」とかなんとか考えながら読んじゃうんですね(;^_^A
今までのところ、三星戦から練習試合まで、全勝で来たわけじゃないですか。そんな中で、桐青戦が始まって。この試合の中で、三橋ってばものすごい急激にいろんなこと“わかってきた”かんじの描写が続きましたよね?
「阿部君が 田島君が 花井君がいれば オレは桐青からアウトとれる」とか、「おおお! バッター勝負!!」とか、「勝とう……ね!」とか、「みんな…と オ、オ、オレ! で 押さえるから」とか。
だから、ここらでいっちょ負けるのもありかなぁと思ってたんですよね。
西浦入ってからこっち、ずっと“きちんとした野球”をやって、みんなで勝ってきた。その喜びをかなりわかってきたから、今度は“負ける悔しさをみんなで分かち合う”練習をするのもいいんじゃないかなと。

でも、それ、例の1月号で全部持ってかれました、ワタシ。
「阿部君がふっ飛ぶと思ったから」=「オレはアウトがとれなくなるから」=「そしたらダメピーに逆戻りで、マウンドにいられなくなるから」ホームに返球できなかった三橋。
ああ、この子のキズは、「試合に負けるのは全部自分のせい」という、普通だったらちょっとそれって誇大妄想すぎない?ってなぐらいの固定観念は、まだ全然って言っていいほど癒えてないんだなぁと思いまして。
ここらへんの流れで、たぶん西浦勝つんだろうなと思いました。
だって……今の三橋は、きっとまだ敗北をバネになんかできない…例によって例のごとく、“ワタシだったらどんな展開にするか妄想”を繰り広げてみたんですが、西浦負けたらどうやって三橋を浮上させてあげたらいいのかわからなくなってしまって(汗)

で、「ひとつ勝って」なわけですが。(やっと最初に戻る;)
これはまた……三橋のキズの深さを再確認しちゃう回でしたね(T_T)
寝起きでルリちゃんをお見送りするレンレンの後ろ手になぜかボールが握られているのはもうこの際置いとくとして(笑)勝ったってことを自分からなかなか叶君に言えない三橋。思い出すのは、あの雪の日で。
「お前のやってたのは違うんだ」と言い募る叶君は、やっぱり文句なしに被害者だったのだよなぁ…あの状況の中で。親友だ、でもライバル。しかし自分はどう考えても、投手としての執念なんていう土台の部分からこの親友に負けている。マウンドに登りたくなかったはずがない、でも、あんな壮絶なもん見せつけられたら、もう控えに甘んじるしかないでしょう……ねぇ?;
三橋が投げ続けているのを正直どう思ってたか、ハッキリ本編で語られてない気がしますが、複雑だっただろうなぁ。投げたかっただろうなぁ。でも、三橋みたいなのが投げ続けるなら、それはまったく道理な気もしてきちゃって、もともと親友だし、応援するのは当然のようにも思えて。でも、桐壺の更衣のパターンみたいに、叶君がかばえばかばうほどに、三橋の立場はどんどん悪くなったんだろうなぁ。
最後に、あの言葉を贈ったのが、もうホントにギリギリ叶君にできた最大のこと、だったのかな、と。
廉がみんなと楽しく笑って野球をできる場が、オレのそばじゃなかったんだってことが、どれだけ悔しかったんだろう。

でも、たぶんあの雪の日も、こうして思い返してる今現在に至るまで、叶君の言葉に詰め込まれた気持ちはかなりねじ曲がって三橋に伝わっちゃってますよね。
「オレがマウンド譲らなかった」のが「違う」んだと思ってるよね、あれ。
叶君の言いたかったのはそうじゃなくて、きっと、「負けがみんな廉のせいだって言われるような、そんな孤独な野球は間違ってる」ってことだったんだと思うけど、それはどうも伝わってない感じがする。
もどかしいけど……もどかしくてもう胸ぐらつかんで怒鳴りたいんだけど……!「違うよ、違うんだよ三橋いぃぃぃっ!!」って!

なんかねー。
三星戦のあとで、中学時代のチームメイトたちが三橋に謝ってたじゃないですか。みんなして。あれスカッとして爽やかでよかったんですけども。つーかあの子らだって立派に被害者なのによく謝ったって思いましたけども。
でもなー……こーゆーふうになってみると、やっぱり(原因の一端がたとえ三橋にあったとしたって)集団でよってたかって罵られてたほうは、謝ってもらえてよかったよかった、これで一件落着、ってわけには絶対いかないんだよね。やっちゃったほうは、謝って溜飲下がったかもしれないけど。
三橋にとっては、いまだに、試合でああやって点とられたり、ちょっとした失投したりするたびごとに心を苛む、生々しい傷口のままなんだよね…
(逆に言えば、そこまで傷を負っても、それでもなお投げたがる、その“投げる”ことへの執着の強さこそが三橋の凄みなんだとも思うけど)

そして、叶もきっとある種の傷を負ったんじゃないかな。
マウンドに登る、ということは、ああまでの覚悟を決めなければならないことなんだ、っていう刷り込みができちゃってたりしないかなぁ。
7回コールドになるような試合展開の中だったとはいえ、先輩もいるのに1年生ピッチャーに投げさせるってことは、監督はかなり叶を買ってるってことですよね。ゆくゆくは、エースとしてこのチームを背負っていってもらいたい、とか。
いざその時になって、叶、怖くなんないかなぁ。尻込みしちゃわないかなぁ……オレはエースの器じゃない、なんて、自分で自分の才能を縮めちゃったりしないかなぁ。だって、きっと、叶にとっての“エース像”って、三橋でしょ? あんなのを基準に考えてたら、エースにふさわしいやつなんかほとんど誰もいないと思う……。
不可能な理想をかかげて走るのは、ものっすごい絶望的に不幸だと思うんだけど……そこらへんは、あまり暗~く考えなくても時がなんとかしてくれるのかな?
(でも、そこらへんコテコテにやってほしいなぁとかちょっと思ってる、ドロドロ大好き櫻井;)
(……あ、叶がそういうふうになる頃には、三橋は今よりもうちょっとちゃんと“チームのエース”になっていて、あの頃自分を励ましてくれた修ちゃんを、今度は自分が一生懸命励まそうとするレンレンとか!<萌えゲージ急上昇)

寝入りばなに、さりげなく呼びかけが「修ちゃん」になってますね。修ちゃんって、ずっと呼んでたかったんだろうなぁ。私の脳内では、名字呼びを最初に始めたのは三橋のほうかなと思ってるんですが。
以下脳内妄想↓

朝練が始まるちょっと前ぐらいに、顔を合わせたふたり、叶のほうからあいさつ。
「よー。おはよ、廉!」
「お、おはよう……叶君」
言われた叶、一瞬その呼び方が頭に入って来ず、微妙な間がある。ん? こいつ、カノウクンって言ったか?と気づいたとき、ちょうど練習が始まる。
終わったあと、いつも通り着替えの遅い三橋を無言で腕組みしながら待っている叶。
「ご、ごめん……あの、先に」
「廉、話がある」
顔をのぞき込むと、三橋はうろうろと視線をさまよわせる。
「──なんだよ、さっきの?」
「……さっき……って」
「朝練の前。あれ、何だよ? “カノウクン”? 誰だよそれ、お前、ふざけんなよ!?」
「……メーワク……かかる、から、あの、オレと仲良くしてくれるとっ、みんな……!」
「…………」
「……叶君、まで、悪く言われる……」
「──……っ!」
スチールのロッカーを拳で叩き付ける。ヒステリックな音がする。
「メーワクって何だよ。仲良く“してくれる”って! みんなって誰だよ!? 冗談じゃねぇっ、オレは……オレは!」

──みたいな!(は~重かった)

なんかねー、三橋は、こういう大事なこと誰にも相談しないでいつの間にかひとりで勝手に決めちゃいそうな印象があるんですよね。
誰でもフツーにできそうなことがろくすっぽできなくて、あれこれと世話を焼かせてくれるくせに、ふつうの人が到底できなさそうな我慢や痛みを、ひとりで全部背負い込んじゃいそうな……うーん、なんなんだろう。期待値が低いのかな。人間関係における。
いや……でも、期待してなかったら九分割なんか身につけてなかっただろうし。仲間に入りたいなとは思ってるんですよね、たぶん、ものすごく。
三橋があきらめてるのは、そういう方向性の“期待”じゃなくて。自分が好いてもらえる可能性、っていう言い方で妥当かな? それがものすごく低いように思える。
どうしても投げたい。でも、チームの和のためには自分が辞めるのが一番手っとり早い。でも、投げたくて投げたくてたまらない。勝ってみんなの仲間に入れてもらいたい。そういうの、すべて望んじゃうのが仮に“欲張り”だったのだとして、おそらくそんな自分を一番強欲だと思っていたのは三橋自身だっただろうな。
投げずにはいられないから、投げ続けて。そうまでして自分が投げてしまっている以上、どんな痛みも寂しさも当然ひっかぶるべきで。三橋がいっそ、オレは投げるためだけに生きてるんだと思い切ってしまえれば、いくらかは楽だっただろうな。そして実際、そうあろうとしたんじゃないかな。痛いとか苦しいとか、思っていい立場だと思ってるのか、なんて。
でも、幸か不幸か、三橋の感性はいっこうに麻痺していかないで、むしろどんどん痛みは増してゆくばかりで。それはやっぱり、みんなとうまくやりたいっていうわずかな望みを捨てられなかったからで。
(うーん、書いてて自分でもわけが分からなくなってきた)

三橋が思う、“投げる”っていう言葉の中には、“みんなに嫌われる”とか“負ければ全部自分のせい”とか“チームメイトに土下座する”とか、そういうのがナチュラルに含まれちゃってるような気がして、なんか胸の奥のほうがザワザワします。
30話の例のシーンに話飛んじゃうと、あの土下座にはホントひとかけらのためらいもないよね。当然にするべきなことをしているだけ、のような。
私がプライド高いだけなのかなぁ(汗)土下座って、やっぱしたくないよ、しないで済ませられるもんなら。つーか、ぶっちゃけ、明らかに自分が悪くてホント謝り倒さないとどうにも収まりがつかない場合にだって、どうにかして土下座しないで済ませられないもんか考えちゃう。(ダメ社会人/爆)
三橋の中で、そういう、土下座なんてできればやりたくない、恥ずかしい、とか、そういう気持ちはなかったように見えるんですよね……いや、心の中ほじくり返せばひょっとしたらあるのかもしれないけど、それは「投げたい」という衝動の前に完全に屈服してますよね……(ブルブル)

「自分が投げる」ということを「みんなに許してもらう」ために、当然必要なことだからやっただけなんだね、あれは、たぶん。おなかが減ったからご飯食べるっていうのと同じぐらいに、当たり前のこととして。
──こんな理不尽な話がありますか、ねぇ奥さん!?(奥さんて/笑)

だってさー、ほかのチームのどんなエースだって、そんなもんまで背負って投げてないよ? 私エースの知り合いいないけど、そりゃ確かにエースってのは責任重大だろうけども、なんて言うかもっとこう、温かい気持ちを注いでもらいながら投げてて、それでふつうなんだと思う。
誰も教えてやらなかったのかよ、そんな基本的なことをさぁ!と、徹底的に三橋びいきの私としてはイライラしてしまうわけです。それを甘んじて受け入れちゃう三橋に対しても。
(あ、このあたりの気持ちが、きっと阿部や花井と近いんだな。あたしの気持ちがなぜ届かない!みたいな<いやそれ痛い人だから/苦笑)
それこそが、三橋の凄まじさだとは思うんですが。
当然のことだから土下座して、嫌われるのが当たり前で、それでもその“当然”なはずのことのために数えきれないぐらい傷ついていて、痛みだって鮮明なのに、それでも、そんなことが“当然”な野球を、やめられないできたんだね。野球(つーか、投げること)を嫌いになるよりも、自分を嫌いになったほうがずっとましだったんだね、三橋にとっては。
どんだけ投げるのがスキなんだ……それはとても壮絶な話で、それこそが三橋の本領って気もするんですけど、でも……!

三橋のこの執着って、どっから生まれたんだろう……と考えていたら、またこれがとんでもなく長くなりそうな話になったので、ここでは割愛しますです。
たぶん、近日中に、「三橋をとことん掘り下げる会」カテゴリにて。

長くなりすぎなので、いったんここで記事を切りますね。
次からのは、もうちょっと軽い内容のはず(笑)