……このタイトルでもうおおかたのところ用は済んでる気もするのですが、自分の気持ちを、文字にすることによってちょっと客観的に眺めてみたいと思います。
お暇な方、おつきあいください。ただしかなりつまらないと思います(;^_^A
ええと、ここに時々でも来てくださってる方はご存知のとおり、当サイトは更新が遅いです。サイト1年目か2年目に書きはじめた『虹待ちの空』が、まだクライマックスを迎えてません。もうひとつの看板小説にするつもりでトップから直リンク張った『Noisy Life』シリーズも、外伝ぱらぱら書いただけで、本編は結局ひとつもアップしてません。
その他、寝言は思いついた時だけたま〜にしか書かないし、よそのサイトさんとの交流も最近すっかりさぼってしまってるし、いつ来てもなんにも変わってないサイトでホントどうもすみませんm(_ _)m
それでも、“休止”とか“閉鎖”する気分にだけは、まったくならずにここまでやってきました。
更新は確かに遅いけど、書く気がなくなったことだけはないんです、私。
書く気がなくなったわけじゃない以上、ここを閉鎖なり休止なりする理由がまったくもって見当たらないので。
ただ、『虹待ちの空』を楽しみにしてくださってる方(が、もしいるとして、その方たちには)かなり悪いことしてるというか、気を持たせるだけもたせてオアズケくらわせまくってる悪女みたいな(どんなたとえだ/爆)仕打ちになってしまってて、心の隅でずっと引っかかってました。
虹待ち最終更新と、その前の更新までの期間、およそ8ヶ月。それで進んだ話数がたったの1話……ひどいっすね。すみません。
弁解するつもりで言うわけではないですが、ここ1年ぐらいずっと、この物語を書きたくて書きたくてたまらないという、熱というか衝動というか、そういうのが、かなり弱くなってきてまして……まあ、長い話ですし、衝動のみで書けるのは最初のうちだけで、あとはもう、先のほうにテーマを見据えて、ちりばめた伏線も回収して、理性的に考えてきちんと物語を整えていかないとしょうがないわけで。
虹待ちにも、いちおう、書きはじめた当初から思い描いていた着陸地点みたいのがあって、全体のテーマも、主人公の成長点も、そのために必要な出来事も、全部じゃないけどある程度は決めてたんです。(最初にはなかったエピソードや設定が、第3章あたりからけっこう追加されていったりもしましたが、まぁ、4章か5章あたりまでにはすべて、私の頭の中に出そろいました)
けれど……あろうことか、自分の中で、この物語を通じて書きたかったテーマそのものが古くなってしまうとは、ちょっと思いもしなくて……
「心の居場所」という概念が好きで、私の書くのはどの話もたいていそんなかんじのテーマがまとわりついてくるんですが、虹待ちはたぶん、際立ってその傾向が強い話のように我ながら思います。
虹待ちを書き始めた時の自分のなかの、何がそうさせたのかわかりませんが、「居場所」というものを、この物語の中においては「自分が自分らしくいられる場所」、もっとぶっちゃけていえば「がんばらなくていい場所」として描こうとしてたような気がします。
主人公たちは、それぞれ、少しずつ自分の心のかたちに合わない世界で苦しんでいて、その中で自分を肯定するすべがわからずにいるけれど、最終的には、自分が自分のままでいい世界──やたらにがんばらなくても、幸せを味わえる世界──を見つけて(それは案外近くにあって)、そこへと還ってゆく、みたいな流れを想定してたんですよ。
それが、どうも、自分の中で納得いかなくなってきたのが2年ぐらい前のことでした。
そうしたら、どうにもこうにも、続きが書きにくくなってきてしまって、だらだら更新を先延ばしにして今に至る、というわけなんです。
がんばらなくてもいい空間もとても大事だけど、それと同じぐらいに、ほんのわずかでも高いところへいきたいという欲求も大事で、“高い”というのはべつに世間からの評価に限らず、自分の中でベストを尽くしているかという話だったり……ようするに、最初に思い描いていた『虹待ちの空』で、例えば主人公のリューズは、がんばることに疲れるほどがんばってないわけで(そうなんですよ)、そういう人間がまず最初に「がんばらなくてもいい場所」にたどり着くのは、なんというか作者である私が許せず。
……いや。というより、いちモノカキとしての私自身が、「がんばらなくてもいい世界」を書くより先に「がんばり抜く人」を書きたいと思うようになったんだと思うんです。
そんなときに、頭の中にホカッと浮かんできたのが、むかしむかし(高校生ぐらいです)から構想だけはあった、『Noisy Life』というバンドものでした。
ほとんど初心者で、過去に1回だけ上がったことのあるステージで大トチリして、それ以降自分の歌にまるきり自信のない、でも歌うことは大好きなボーカル少年(15)を主人公に、ホントの骨組みだけだったプロットにどんどん肉がついていきました。
もうちょっと詰めれば書けるかな、と思いはじめたそんな矢先に……出会ってしまったんですわ、このマンガに。
寝言読んでくださってる方にはもうお分かりの、二次創作ページまで作ってしまった作品ですが(;^_^A ハマった理由を私、人ごとのように冷静に列挙できます。
まず……主人公が、上で挙げたボーカリストにやたら似てる。このマンガを紹介してる記事があったのですが、そこからアマゾンに飛んで、目に入ったアオリ文句に心臓ぶち抜かれました。これは私、好きにならないはずがない。
これ以来、うちのボーカル・久住映光と、かのマンガの主人公との差別化をはかるのにしばらく必死でした(汗)
それから、たぶんこれはさらに大きな理由……私が、今まで、何もたいして一生懸命に好きなことに打ち込んでこないまま、結婚して30歳の年を迎えてしまったことがものすごく影響してると思います。
かの作品の登場人物、全員が全員、なんと力いっぱいに“好きなこと”に打ち込んでることか……みんなが全身から放射してるような、なんというのか“キラッキラ”した光を、私はついに(たぶん)一度もまとったことがなくここまで来てしまったんだなぁと思ったら、軽くへこみました。
妬ましいというか眩しいというか、私もそのおこぼれに預かりたいと思い、二次創作を始めたんです。あの“キラッキラ”を疑似体験したくて。
ハマった作品の二次を書くこと自体は、私的にはそれほど珍しい話じゃありません。
櫻井水都文庫のコーナーの、下〜のほうに、さりげなくFF7の二次(しかもナナキ主人公だ。なんつーか、イバラ…)が置いてあります。……あーあれも3部作のはずなのに最後の1話だけ書いてない……;
私の中にはいつも、ジャンルも世界観も問わず、「このテーマ/シチュエーション/人物相関で書きたい」というふうな、物語のタネがあって、それらとFF7の世界観がものすごく相性よかったので、オリジナルの世界観で書いてもいいようなものを、あえてFF7世界で書いていたようなかんじなんです。
たぶん私、根っからの二次は書けないんですよね。どんな作品の二次書いても、最終的には“あたし色”になってしまうのはいいことなのか悪いことなのか(;^_^A
で、自分の書きたい物語のタネと相性のいい世界なので、いろいろ妄想を続けていくわけなんですが、やっぱりそのうち、原作の世界観からはみ出してしまう部分が多くなるんです。そうすると、「やっぱりオリジナルを書きたいぞ!」という気分が舞い戻ってきて、自然に一次創作に還ってくる……というのが、今までの常だったわけなんです。
で、今回ハマってる二次創作なんですが……なんか、どうも、容易に戻ってこれそうな感じがしません。
上に書いたとおり、ちょうど『Noisy Life』の構想を練っていた矢先に巡り会ってしまったもので、あのマンガの世界観と『Noisy〜』で書きたいと思っていたものと、きれいに重なってしまいまして……あの作品の二次書いていれば、(少なくとも今のところは)もうあの作品世界の外にオリジナルの世界観を必要としない感じというか。あの世界の中で膨らませた、“私の書きたい物語のタネ”は、あの世界の中だけでほとんど語りきってしまえるみたいです。困ったことに。
しかも、やめておけばよかったのかもしれないと今となっては思いますが、かの作品の二次創作を、よりによって、篠原美也子さんの歌をテーマソングにして書きはじめてしまったのが、かなり決定的だったなぁと…
もともと私、10数年来の篠原美也子ファンでして、私がものを書くときには、根っこのところで美也子さんの歌をテーマソングにしてることが多いんです。
この人の歌の特筆すべき点は、なんといっても歌詞だと思います(上の“篠原美也子さん”というところからリンク張ってる、ご本人運営の公式ページに、なんと全曲の歌詞が載ってます。ご覧あれ〜)が、この人のものの見方・考え方が私、ほんとうに好きでしてねぇ。どんな小説よりもマンガよりも、この人に影響を受けて今の櫻井水都がいるんだと断言できます。
つーかむしろ、今まで私がこのサイトにアップして「オリジナルだ」と言い張ってきた作品は、ほとんどすべてが篠原美也子の二次創作だといってもいいかも(爆)
これは私がそう思うだけかもしれませんが、今私がハマってる件のマンガと、美也子さんの歌は、根底に流れるものがとても似てると思います。少なくとも、私の目に映るあのマンガの風景には、美也子さんの歌がとても似合うんです。
そんなわけで、美也子さんの歌をテーマソングに二次を書きはじめたらば……もうなんつーか充分に満たされてしまって(爆)
あのマンガは、やっぱり、若い子たちが主人公だし、そりゃ努力が報われないとか気持ちが簡単には通じ合えないとか、でもその切なさにもちゃんと意味があるんだとか、そういうほろ苦い部分をちゃんと書いてくれてるんですが、それ以上に眩しいんですよ、ひたすら。そりゃーもう、妬ましいぐらいに。
で、そこに美也子さんの歌をはめてゆくとですね……「30オンナ、今からでも何かやろうぜ! 遅すぎるかもしれないけど、あたしの続きはあたしが自分で見つけるしかないんだ!」みたいに、とたんに今の自分的に等身大な物語になってくれるんですね。
青春時代過ぎ去った三十路女でも、いろんなことあきらめなくてもいいんだと。あのマンガの登場人物をただ単にうらやましがるだけじゃなくて、もう一度夢みちゃったりしてもいいんだと、そんな気分を盛り上げていくことができるような気がするんです。
このふたつの提示する世界観の中で、今の私の書きたいことはほとんどすべて描き尽くせてしまえるってことに気づいてしまったのが、今私が一次創作かけない理由のもっとも大きなものなのかなと思います。
こんな究極のコンボに巡り会ってしまったから、もう今さら自作の世界観を捻出する必然性がなくなってきてしまったというか……。
ただ、まぁ、これでも15年以上モノカキのまねごとをやってきてて、いちおう自分の本分はオリジナル書きだというアタマもあって、言っちゃえば「人のフンドシで相撲とってる」状態を多少(いや、かなりか?)不本意に思っているのも確かなので、その気持ちが残ってる限り、いつの日か一次創作に戻ってくる時はおとずれるんじゃないかと思ってますが。
ただ、それが「もうそろそろです」とは言えないです、ということなんです。
いつになったら、自分の世界観でなきゃ書けない物語を見つけて、こっちに戻ってこれるのか、今のところ皆目見当がつかないというのが正直なところです。
案外、数ヶ月もしたらあっさり戻ってきちゃうかもしれないし、何年っていう単位になるかもわかりません。
ただ、どんな場合でも、書きかけの『虹待ちの空』や『Noisy Life』、ほか別サイトで冒頭だけ書いたまま放り投げてる作品たちを放棄するつもりだけは、決してありません。
こんな状態でも、あれらの作品の続きを待ってくださるという方が、もしかしたらいらっしゃるかもしれないのでここ【AQUAPOLIS】はこのまま残しておきます。
これからしばらく、活動場所は変わりますが、私の実家はやっぱり【AQUAPOLIS】ですし、私のふるさとはオリジナル小説コミュニティのつもりです。
【AQUAPOLIS】はしばらくの間更新休止期間に突入しますが、サイトは閉じませんし、掲示板も開放しておきますし、既にアップした作品へのご意見ご感想ご批判などなど、変わらず心よりお待ちしております。
──要するに、実質的には今までと何ら変わらない、ということですね(;^_^A
そんなこんなで、すっかり長くなりましたが、ご来訪の皆様へお知らせでした。
そして、もしご興味がおありでしたら、二次創作サイト【汗とフェンスと高気圧】でまたお会いしましょう(^_^)
(※しょせん私の書くものなので、いわゆる“女性向け”的な要素はほぼ皆無です。男性の方も安心/笑)