【振りサイト再録】わ、わわっ、ちょっ……!!

なんかすみません、以前考えてたネタが全然消化できてないうちに、どんどん新しい妄想が浮かんでくる~…
み、みなさん、三橋たちの卒業式SSなんて読みたい で すか…(ドキドキ)

(とか三橋ふうに訊きながら返事も待たずにネタ走り書き(笑)↓)

 全校生徒を飲み込んでなお、がらんとした気配をたもつ体育館に、自分の名前が響き渡る。
「──三橋、廉」
 ぐ、と喉に力を入れる。息を吸い込む。
「……はい」
 精一杯しぼり出した声は、やっぱり、涙でよじれてしまったけれど。
(あのときの涙とは、違うんだ)
 はっきりと、そう思える。

[三年前、中学の卒業式の回想。そちこちで、名残を惜しむ声がかわされている。その中に、決して自分は入れない。
 卒業式で、なぜみんなは泣くのだろう…それは、別れがたい仲間があったからで、いいかえれば、自分もまた誰かにとっての“別れがたい仲間”であれたのだという実感があればこそで。
 だから、自分には泣く資格もないはずなのだ。それなのに涙が止まらないのは、果たして、本来ならば仲間であったはずの人たちにしてきた仕打ちに対する後悔の念か、それとも、野球と決別することを、いまだに……
 生徒たちの輪の中から、人知れず抜け出して、三橋はひとりになる。今はすっかり無人の野球のグラウンドの、その頂を、フェンス越しに見つめて、この期に及んでこんなにもあの場所をあきらめられない自分を心底卑しいと思い、泣く。
 後ろから、「──三橋」と声がかかる。びくっと震える。卒業式後、三橋以外の3年生部員がここでサヨナラ練習をおこなうと聞いていた。でも、それは、もう少しあとのはずだったけれど。
 振り返ると、そこには叶がいる。追いかけてきたものらしく、軽く息があがっている。
「……ごっ、ごご、ごめん……あの、ちょっと見てただけ、だから。もう行くから」
「待てよ」
 ホントに高等部行かないのかよ、のやりとりが。叶君の前でだけは、絶対泣いちゃいけないと心に言い聞かせるが、こらえることができない。修ちゃん、という慣れ親しんだ呼び名を捨てたのは自分のほうだ。でも、ちょっと気を許すといまだに「か」でなく「し」のかたちに口が動いてしまう。それに、だいたい、“ 叶君”に変えてからも、自分は相変わらずこの人に甘えている。この人の、底なしの好意に…]

 思い返しながら、また新たな涙がこみ上げてくるが、もう胸の痛みはない。いや、まったくないと言えば嘘になる。伝えきれなかった思いは今でも胸の奥深くに沈殿しているが、少なくとも、あの頃のような呼吸もままならないような胸苦しさとは違う。
 自分は、今、不思議と穏やかな気持ちで三年前の自分を思い返すことができる…。

 わー、これ、結構長くなりそう…(ぶるぶる)