『休まない翼』 第二部

「オイラを置いてかないで!!」


 少年老い易く恋成り難し。(ウソ)
 にゃーすけ、すなわちナナキは老い易くは…ないかもしれませんが(笑)恋成り難いのは確かですねぇ。どうにもならないことに地団駄踏んで、悩み抜いていつしか立ち上がる、という物語の黄金パターンが好きなんです。私。ありがちって言われようが何て言われようが、好きなものは好きなんだ。しゃーない。

 私的設定の中では、にゃーすけの初恋相手は確実に「二本脚の少女」です。って言うか、恋を知る年頃にはもう自分しか同族がいないわけなんだから、相手がいたなら当然人間。しかも、コスモキャニオンの。これ、決定事項。(オイ)
 で、この設定に悲劇がつきまとわないはずがない。かたや100年足らずで土に帰る種族。かたや5世紀ほども生き延びる種族。小さい頃の数年間は、精神年齢も発育段階も同じぐらいなので恋愛(って呼べるかどうかは定かじゃないけど、それ言ったら「初恋」なんて成り立たなくなりますよね?)も成立しようけども、ほどなくして相手の女の子が大人の「女性」になってしまい、外の男性と結婚してコスモキャニオンを出て行ってしまうんです。ちなみに前回の「紅塵〜」では、その彼女がエアリスに似ているというあんまりな設定でしたね…(汗)
(コスモキャニオンの男と結婚して幸せな家庭、っていうのも有りかもだけど、それだとあまりににゃーすけがカワイソウ)
 取り残された少年にゃーすけ。以来、「二本脚の女性は好みでない」と周囲に吹聴するようになります。

 …念を押しますが、公式設定にこんなのないですよ。鵜呑みにしないで下さいね(誰がするかよ)


 そもそもこれを書こうと思ったきっかけは、ラストのセフィロス戦の後、きっとにゃーすけは(じっちゃんのいない)コスモキャニオンに帰るの痛いだろうなあ、と思いついたからなのでした。
 生きてれば「じっちゃーん! ただいまーっっ!」とかって意気揚々と帰れもしたでしょうけど、ねぇ? じっちゃんとの会話とか全て思い出にするにはちょっと時間が足りなすぎですし、きっと人知れず溜め息ついてるに違いない、と。
 ──でも、それだけかな?
 にゃーすけが私の頭の中で暴れ出しちゃったんです。じっちゃんが死んじゃったのは悲しいけど、それが問題の全てじゃないんだと。たとえばじっちゃんが死んだこと。たとえば初恋相手の少女に置いて行かれたこと。たとえば幼なじみがどんどん大人になってしまうこと。たとえば……。
 にゃーすけは今までの経験の中から、自分の一生の縮図を見ちゃったんです。それで、溜息をつくんです。
 すげえ。キャラ萌えもここまでくればアッパレかも(笑)

 で、今回の、カップリングの相手にユフィを選んだ理由は…ひろ坊様、インスピレーションいただきましたー。ありがとうございますv
 考えてみれば、精神的な年の頃は近いんですよね。この二人。だからユフィなら、にゃーすけの言葉のひとつひとつに、にゃーすけと同じ目線で向かい合えそう。エアリスみたいな人なら、もっとこう、大きくふわっと包んでやれるかもだけど、私の考えたのはそういう図式じゃないんで(苦笑)
 「包んでもらって」「答えを与えてもらう」んじゃこの場合駄目だと思ったんです。たとえ遠回りでも、みにくく泣きわめきながらでも、足が棒になるぐらい探し回って、手に血がにじんでもいばらの茂みを分け入って、自分で見つけなきゃいけない答えがあるんです。多分。
 包んでもらうのがいい場合ももちろんありますよね。でもここでのにゃーすけは違うのかもな、と。


 テーマについてはこの辺で。今回取った手法ですが、一人称語りの持ち回りです。二次創作分野でこれやる人あまりいないのでは(苦笑)
 コミュニケーションが成立している部分と、していない部分を表現するために、こういう形にしてみました…が、冗長ですよね、きっと…(汗)
 この点、ぜひとも率直なご意見をどうぞ。


●今回の櫻井的心のBGM:篠原美也子「Good Friend」
 同じ趣旨で同じアーティストの「Always」でもよかったんですが、ユフィのキャラを鑑みて、アップな歌の方がいいかと(^_^)



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