『虹待ちの空』ができるまで
〜まえがきにかえて〜



 皆さま、日頃は拙作『虹待ちの空』をご愛顧下さり、ありがとうございますm(_ _)m

 もともと、この『虹待ちの空』は、作者である櫻井水都が、オフラインの知人と遊んでいるテーブルトークRPG「夢のきれはし」をノベライズしてみようと思い立ち、書き始めたものです。
(「テーブルトークRPG」という言葉を聞き慣れないお客様に対しては、この言葉の説明は櫻井の自己紹介ページに譲ります。お手数ですがそちらでご覧下さい。)

 そういう経緯ですので、『虹待ちの空』の立ち上がりのストーリー進行、およびキャラクター設定、大道具小道具は、この「夢のきれはし」の設定に半ば以上を依存したものとなっています。
 とはいえ、やはり、ゲームと小説というジャンルの違いからか、あるいはオフラインの知人と櫻井との趣味の違いゆえか、『虹待ちの空』は「夢のきれはし」の原形を辛うじてとどめてはいるものの、作品としてはまったく別物として、勝手に一人歩きをはじめてしまいました(;^_^A


 見比べて笑いたい(笑)という方のために、こちらにリンクを張っておきます。
  タダッチ城(Tadazzi Castle)
 現れるインデックスページから、「ENTER」>>「大広間」>>「図書室」>>「夢のきれはし」と進んでください。お手数をおかけします。
 ※リンク先であるタダッチ城は、5日おきに昼夜が交替します。夜間は「図書室」は閉館となり、閲覧できませんので、ご了承下さい。


 櫻井作の『虹待ちの空』には、私なりにテーマなんてのを設けたつもりです。
 「心の居場所」というのが、それです。

 連載を初めてからこちら、大々的な改稿を2001年10月頃に1回、プチ改稿は随時。もはや原型からほど遠くなって、ようやっと私の中で「虹待ち」は自分の小説になってきたようです。
 当初の予定よりも、ずいぶんオリキャラも増えて、オリジナル用語も出てきて、私の中で作品のカラーというか、BGMというか、そういう感じのものも沸き上がってきております。
 色は、虹色。空の青。雨ににじんだ街の灰色。草木の緑。眩しいお天道様の黄色。
 スコールのような雨の音。木の葉から滴るしずくが地面に落ちて弾ける音。風になぶられて舞い飛ぶしずくが、雲間から差し込む日差しを反射してきらめくさま。
 笑いさざめく少女たち。脚から鉄を引きずって心に鉛を飲み込んだ少年。虹を見たい少女。崇高であり孤独な男…。
 きみのままでいい。きみのままがいい。それが迷宮の出口。
 ──そんな小説なんです。『虹待ち』は。と言うか、そんな小説にしたいのです。
 どんなに大きな事件が登場人物を翻弄してゆこうとも、それは私の中では二次的なものでして、あくまでその中で悩み、つまずき、泣きわめき、やがて立ち上がるパーソナルな心の物語を書きたくて、私は『虹待ちの空』を綴っています。


 ……言葉が多くなりすぎました(汗)
 何はともあれ、読者の皆さまにひとときの楽しみをご提供できれば、それに勝る幸せはありません。






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